肌表面ならビタミンCと抗酸化、肌奥なら血行促進

ライター:おゆきまる

化粧品会社に勤めて学んだことがたくさんあります。肌のトラブルは多々ありますが、原因はほぼ「活性酸素」によるものであること。紫外線によるシミも、光老化と言われる小さいシワも…抗酸化ケアを意識することで対策できます。しかしそれは「肌表面」の話。肌の奥で起こる老化トラブル「たるみ」「ほうれい線」などには全く別のアプローチが必要です。今日は、40代の私が実践している、年齢肌トラブル解消法をまとめます。

肌表面の悩み「毛穴」「シミ」にはビタミンCで抗酸化ケア

みなさん「活性酸素」はご存知でしょうか?テレビでもよく見かけるキーワードですね。老化の原因とも言われます。また、内臓などが活性酸素によって酸化し、さまざまな病気の原因となることも。肌も同じで、この「活性酸素」が老化現象に大きく影響しているのです。

紫外線によるシミに例えて話すと、メカニズムはこうです。紫外線を浴びることで発生した活性酸素が、メラニンを生成するチロシナーゼを活性化させることにより、シミになります。

美白化粧品には、メラニンの生成を阻害する目的でトラネキサム酸やアルブチンなどの有効成分が配合されているので、対策に有効です。ですが、そのもっと前段階の活性酸素を無害化・除去できるといいですよね。小さいシワや毛穴の開きなど、肌表面の老化トラブルには全て活性酸素が関係しています。また、活性酸素の発生原因は紫外線だけではないというるのです。みなさんが想像しやすい例をあげると、下着などの摩擦で関節付近の肌が黒ずんでしまうことなども、摩擦による活性酸素が原因です。年齢肌のケアをするなら、活性酸素を対策する「抗酸化」は必須項目です。

化粧品を選ぶなら!人気抗酸化成分まとめ

年齢ケアを意識するなら、抗酸化成分が主要成分として配合されている化粧品をぜひお選びください。有名な主要成分として「ビタミンC誘導体」があります。私はビタミンCが好きなので、主要成分にビタミンC誘導体や、複数の抗酸化成分がブレンドされている化粧品を選んでいます。ビューティーモールの化粧品にも、浸透力の高いビタミンC誘導体である「APPS」に加え、持続性の高い「フラーレン」即効性がある強い抗酸化成分ビタミンE誘導体「TPNa」を組み合わせて配合されていますね。

【化粧品によく配合されている抗酸化成分一覧】

抗酸化成分の名前 特徴
ビタミンC誘導体 最も有名で、美白有効成分として厚生労働省から指定されている成分。メラニンの還元作用もあるので、薄いシミは目立たなくなることも。弱点は浸透力の弱さですが、APPSという高い浸透力を誇るビタミンC誘導体も開発されています。
ビタミンE誘導体 ビタミンC誘導体とセットで使われることが多い有名な抗酸化成分。炎症を抑える働きもあるので、ニキビ系スキンケアにも配合が見られます。TPNaという高浸透型の成分も開発されています。
フラーレン 活性酸素を吸着し、除去ではなく「無害化」するという、通常の抗酸化成分とは全く違う働きをする面白い抗酸化成分です。魅力は持続力で、 10時間以上効果が続いたという試験結果も出ています。
アスタキサンチン カロテノイドの一種で、赤い色が特徴。過酸化脂質など脂系の活性酸素により力を発揮する頼れる成分です。
αリポ酸 ダイエットサプリなどで有名な成分ですが、実はビタミンのような働きをし、抗酸化作用もあります。ビタミンCやEの酸化を防ぐ力も強く、合わせて配合されることも多いです。
コエンザイムQ10 アンチエイジング系サプリで脚光を浴びた成分で、強力な抗酸化作用があります。化粧品でも主要成分としてQ10の名称で販売されている製品を多く見かけます。

活性酸素は4種類あり、抗酸化成分にはその全てに効果があるものもあれば、それぞれ得意不得意があったりします。フラーレン以外は「肌の代わりに自分が酸化されることで除去する」というような働きをします。そのため、ある程度の濃度が必要な上、チームワークで除去する仕組みをとらなければ効果を発揮しづらいのです。そういう意味でも抗酸化成分自体が酸化されないように守ってくれるフラーレンは、アシスト成分として絶対入れておいて欲しい成分ですね。抗酸化作用のある成分2~3種類+フラーレンの組み合わせがおすすめです。

シミや毛穴に色々試してビタミンC誘導体にたどり着いた

シミや毛穴で悩んでいた私は、ビタミンC誘導体が複数配合されている化粧品が最も効果があると感じました。ビタミンC誘導体は少し肌に刺激があり、生理前など肌の調子が悪いときにはピリピリするので、できるだけ低刺激処方のもの(着色料、防腐剤、香料などがあまり入っていないもの)を選びました。また、ビタミンC誘導体だけでなく、他の抗酸化成分と一緒に配合されていることで、ビタミンC誘導体の本来のチカラが発揮されることにも気づき、必ず「合わせ配合」されているものを選んでいます。

APPS化粧水

先にも述べたように、抗酸化成分は「自分が身代わりになって酸化される」という働きをするので、申し訳程度の配合量では期待した効果を得られません。抗酸化成分を充分に配合し、原料原価率を高く設定できるのは、テレビCMなどを行っていない小規模のメーカーです。

肌表面の悩みを解決するためには、製品本来のチカラを見ぬく知識を身に着けて、スキンケア化粧品を「抗酸化力」で選ぶことが重要なのです。

シミや毛穴は、他の悩みよりも比較的早く効果が現れます。1ヶ月程度で肌の違いを実感することができるので、自分に合った化粧品を探すことはそんなに難しくありません。

  • 抗酸化成分が「主要成分」として入っている化粧品を選ぼう
  • 抗酸化成分が複数、かつ高い濃度で配合されている化粧品を選ぼう

肌の奥の悩み「たるみ」は顔マッサージがイチバン

「肌のハリケア」「アゲ活」などなど、たるみやシワを改善できるようなイメージを与える化粧品が多く販売されていますが、私はそれらを試して「ほうれい線が薄くなった」などと効果を感じることはできませんでした。たるみやシワの大幅な改善には、美容皮膚科・外科、サーマクールやリフトアップ整形などの医療行為でしか期待ができないと考えています。化粧品の効果がゼロではないと思うのですが、その効き目が老化進行を上回る気がしないのです。でも、さすがに医療行為には抵抗が…そんな方も多いですよね。私も美容皮膚科は行ったことがなく、抵抗を感じます。

そんな方には、私が唯一、自宅ケアでたるみやシワに効果があると感じた「顔マッサージ」をおすすめします。

私が実際に目の当たりにした効果とは?

「マッサージ=血行を促進する」ことで、たるみやほうれい線に効果があると知ったのは、勤めていた化粧品会社でマッサージ動画を作ったことがきっかけです。実は顔にもコリがあり、それをマッサージで解消することでむくみがとれ、血行が促進され、肌に必要な栄養がしっかり運ばれてくるのです。マッサージをたった2週間続けただけで、顎まわりがスッキリしてほうれい線が目立たなくなる事例が多く見られたのです。これには衝撃を受けました。

それ以来、私は週1~2回程度、顔のコリをほぐすためのマッサージを行うようにしています。

週1~2回はジェルを使った顔マッサージを

お気に入りアイテムは温感ローラー美顔器、かっさプレートです。

かっさプレートをお持ちでない方は、下の写真のように親指の第一関節をかっさに見立ててマッサージしてみてください。

かっさプレート風マッサージ

ジェルがマッサージの途中で乾いてきてしまうと摩擦が起こり、肌を傷める原因となってしまいます。ジェルは贅沢に5~6プッシュ、多めに使います。乾いてきたら、ジェルを足しましょう。

顔マッサージの前には、耳の前から首のあたりを上から下へ流し、排出するルートを開通しておくと、より効果的です。あとは顔の中心から外へ外へと流し、耳の前から首へ。おでこ⇒目の上⇒目の下⇒頬と順に下げてゆき、フェイスラインは顎から耳の前へ上げるように流してください。セルフエステアカデミーがYou Tubeで配信しているマッサージビデオが、わかりやすくておすすめです。私は、これをもう少し簡単・短時間にしてマッサージしていますが、時間がある方はビデオに沿ってゆっくりやってみてください。

  • 週1~2回は顔のマッサージをしてたるみを解消
  • マッサージには肌すべりのいいジェルがおすすめ
  • 血行を促進することで、肌を再生する栄養素が隅々まで届くので、ビタミンたっぷりの食事

いかがでしたか?肌表面の悩み「毛穴・シミ」にはビタミンCなどの抗酸化化粧品でアプローチ、肌の奥の悩み「たるみ・ほうれい線」にはマッサージ&血行促進でアプローチを。みなさんもぜひ試してください。

この記事を書いた人
 [おゆきまる]

日本スキンケア協会 スキンケアアドバイザー
兵庫県姫路市出身、東京在住。元化粧品メーカー勤務、ビューティーモールの化粧品が大好きな40代兼業主婦、美容ライター。自由に独自の視点から楽しいスキンケア法をお届けしてゆきます。皆様の日々のお手入れの参考になれば幸いです。
趣味:
スノーボード、温泉(温泉ソムリエ資格保有)

※記事の内容は個人の感想になります、ご了承くださいませ。

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